体力的にきつい、常に多忙で大変だ。「介護の仕事」と聞くと、そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、それは介護の仕事について、知らないことが多いからではないでしょうか。「Pride」では、実際に現場で働く方々に話をお聞きし、介護の仕事について語っていただきます。介護の仕事に誇りを持ち、日々奮闘する中で育まれる利用者さんとの絆や、使命感。介護従事者たちの熱い想いをお伝えします。

今回ご紹介するのは、尾崎花音(かのん)さん。株式会社ライフ・テクノサービス(LTS)が運営する高齢者住宅 ・ 特定施設「憩いの里 津ケアホーム」で働き始めて、3年目になります。尾崎さんが介護職を選んだ理由、そして介護に従事する中で感じていることをお聞きしました。

介護は「人と信頼関係が築ける」魅力的な仕事

「私、介護の仕事がめちゃくちゃ合ってると思うんです」

そう笑顔で話してくれた、尾崎さん。小さな頃から漠然と「誰かを助けられる人になりたい」という思いを持っていたそう。でもなぜそう思うようになったのか、きっかけになった出来事があるわけでもありません。もしかしたら…と話してくれたのは同居している祖母への思い。

「おばあちゃんに何かしてあげると、いつも『ありがとう』って言ってくれるんです。その言葉が嬉しくて、誰かを助けたいとか、力になりたいと思うようになったのかな。喋るのは苦手だけど誰かと一緒にいるのが好きで、小さい頃から漠然と人と接する仕事への憧れがありました」

入居者の衣服をたたむ尾崎さん

短大ではデザインを学びましたが、やはり人と接する仕事に就きたいと就職先を探していたところ、介護の仕事が目に留まりました。

「色んな職種を調べてるうちに、介護職って一番深く人と接することができるんじゃないかなと思って。介助を通して利用者さんの生活に関わり、信頼関係を築くことができる。すごく魅力的な仕事だと思って、LTSに就職しました」

最初は、知識も経験もない介護職に就くことに不安を持っていたそう。しかし、入社後の研修や先輩からのサポートにより、不安はすぐに解消したと言います。働き出して感じたのは、やはり人と接する仕事は楽しいというポジティブな気持ち。心から「本当に介護の仕事が合っていると思う」と思ったのだそう。

入居者さんからの呼び出しコールにもすぐ対応

入居者の言葉に耳を傾けて

しかし、入居者と接するうえで難しさを感じたこともありました。入社して1年目はなかなか会話が弾まず、悩んだことも。

「最初はガチガチに緊張してしまうし、入居者さんにも『この知らん子は誰?』みたいな顔をされてしまって。どうやって信頼関係を築いていったらいいのかわからずに、悩みました。コロナ禍だったので、マスクでほとんど顔も隠れていて、余計にわかりづらかったんだと思います。でも毎日接する中で、一生懸命話しかけて、少しずつ顔を覚えてくれる方が増えていきました」

信頼関係を築くために、工夫したのは挨拶と会話。

「まずはしっかり目を合わせて、にっこり笑顔で挨拶するようにしました。そしたらだんだん心を開いて接してくださる方が増えたんです。最初の頃は世間話も難しかったので、『今日は足湯がありますよ』とレクリエーションの内容をお伝えして、一緒に参加しましょうと呼びかけたりしました」

会話の流れから、入居者の体調チェックも行うように。

「『今日は参加しないわ』と言われたときはその理由を伺うんです。そうすると『今日は腰が痛い』『疲れている』など自然と体調の確認もできます。話し方を試行錯誤しながら、会話を続けるためのコツ、何より相手の言葉を聞く大切さを学びました」

会話を大切にする尾崎さんの真摯な姿勢を見て、心を開いてくれた入居者の方も。

「口数の少ない男性の方なんですが、以前農家をされていたみたいでそのときのお話は嬉しそうにお話してくださるんです。『めっちゃ早く、田んぼ仕事を終わらせたことあるんや』『俺はな、畑仕事が好きなんや』ってすごく楽しそうで。私も嬉しくなります」

「一緒にやりましょ!」と声をかけて一緒にストレッチ

あんたやったら、任せられる」

日々のコミュニケーションの積み重ねによって、信頼関係を築いていった尾崎さん。入居者が心地よく過ごすためだけでなく、介助においても信頼関係が必要だと言います。

「介助はからだに触れる仕事なので、やっぱり信頼のおける人に任せたいと思うんです。排泄や入浴介助は、基本の形はあっても1人ひとりに合ったサポートをする必要があります。特に拘縮(関節が硬くなってしまう症状)がある方は無理に力を入れると身体を痛めてしまうことも。その方にとって負担のない介助をするために、コミュニケーションをとりながら支えるところ、触るところを見つけていきます」

信頼関係のうえで成り立つ介護の仕事。大変なこともあるけど、入居者の言葉が活力になっているそう。

 「『あんたやったら任せられるわ』と言われたことが、一番心に残っていますね。介助以外でも、日常の中で感じた疑問や不安なことを私に打ち明けてくださる方もみえます。悩みは誰にでも言える訳じゃないので、信頼されてるんだなと嬉しくなりました」

入居者と一緒につくった紫陽花の飾り

「ありがとう」の言葉がやりがい

毎日色んな話をし、笑い、共に過ごす、言い表せないほど大切な存在である入居者の方々。しかし介護職である以上、入居者が亡くなる場面に立ち会うこともあります。

「深く関わってきた入居者さんが亡くなると、やはり泣いて落ち込んでしまいます。でも落ち込んでると他の入居者さんが心配してくださって…やっぱり毎日一緒にいるので、こちらの気持ちも伝わってしまうんですよね。だから前向きに頑張ろうって。落ち込むのも、頑張ろうと思うのも入居者さんの存在が大きいですね」

最後に、尾崎さんにとって入居者の方々はどんな存在なのか聞いてみました。

「性格も生活スタイルも知っているので、家族みたいですけど家族でもないし、友達でもない。あくまで職員と入居者なんですけど、言葉にできない特別な存在だと感じています。仕事というだけでなく人生においてやりたいことが『誰かを支えること』。だから今、とても介護という仕事にやりがいを感じてます」

誰かを支えたいという純粋な気持ちから選んだ介護の仕事。尾崎さんが入居者の方を見つめる眼差しを見れば、その言葉に嘘がないことが伝わってきます。「ありがとう」という言葉に元気をもらい、また元気をお返しする。心の通じ合った介護は、ケアをする人も受ける人も、互いを幸せにするのかもしれません。

尾崎 花音 さん

株式会社ライフ・テクノサービス

施設事業部 憩いの里津ケアホーム

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