老年だったあの人と、若かった私の風変わりな思い出たち。
tayutaiはいろんな人が執筆する、思い出のコラムです。
私は小さい頃からおじいちゃん子でした。休みになるとよくおじいちゃんの家に泊まりに行き、夏休みには魚釣りに連れて行ってもらったり、野球を一緒にしたりしました。
おじいちゃんは市役所に勤めていて、職場では相当厳しく、「鬼の○○さん」と陰で呼ばれていたそうです。けれど、私が生まれると、そんな人がまるで別人のように変わってしまいました。
「あの鬼の○○さんが、すっかりデレデレやなあ」と言われるほどだったそうです。
そんなおじいちゃんにまつわる、もうひとつおもしろい話があります。
私が生まれる前、エコーでは「女の子かもしれない」と言われていました。おじいちゃんは男の子を望んでいたようで、出産の日、病院まで駆けつけたものの「女の子やったら、ええわ」と言って、愛車のカブに乗って家に帰ってしまったのだとか。
ところが、いざ生まれたのが男の子だと聞いた途端、すぐに病院へ引き返し、満面の笑みで私を抱っこしてくれたそうです。
もし私が女の子に生まれていたら、魚釣りや野球をすることもなく、おじいちゃん子にはならなかったかもしれません。
そう考えると、男の子として生まれ、おじいちゃんからたくさんの思い出をもらえたことは、本当に幸せだったと思います。

寄稿者:ももりおぱぱ
趣味は魚釣りで、週末は畑で野菜を作っています。FM三重のリスナーです。

少子高齢化や人口減少、そしてデジタル化がすすんでいるのに、自分たちが暮らすまちのことはあまり知らない。ふと我に返ったとき、むかし祖母に聞いたまちの想い出話を、無意識に思い返していた。
そうだ、きっと自分が暮らすまちに誇りを持てていなかったんだ。ならば人生の先輩方に聞けばいい。まちにとって想い出はなにより大切な資産だと思うから。
自分が暮らすまちが少しだけ好きになるように「とつとつ」と語っていきます。お付き合いいただければ幸いです。



