
老年だったあの人と、若かった私の風変わりな思い出たち。
tayutaiはいろんな人が執筆する、思い出のコラムです。
おじいちゃんの口癖は「かっしなやつやなあ」だった。
おばあちゃんが、何か用事をしていて遅かったり、うまくできないときに、「かっしなやつやなあ」と決まって口にしていた。
おじいちゃんが無口だったからこそ、その一言が強く心に残っている。
「かっしなやつ?」って何だろうと思いながら、おばあちゃんがちょっと困った顔をしているのを見ていた。
いま思えば、「おかしなやつやなあ」というのが訛って「かっしなやつやなあ」と聞こえていたのだと思う。
でも、そう言いながらも、おばあちゃんの代わりに手を動かしているおじいちゃんは、それもきっと、不器用な愛情表現だったのかもしれない。
いまも天国でおばあちゃんに向かって、「かっしなやつやなあ」って言ってるのかな?
きっとおばあちゃんは優しく笑っている気がする。

寄稿者:ももりおぱぱ
趣味は魚釣りで、週末は畑で野菜を作っています。FM三重のリスナーです。

少子高齢化や人口減少、そしてデジタル化がすすんでいるのに、自分たちが暮らすまちのことはあまり知らない。ふと我に返ったとき、むかし祖母に聞いたまちの想い出話を、無意識に思い返していた。
そうだ、きっと自分が暮らすまちに誇りを持てていなかったんだ。ならば人生の先輩方に聞けばいい。まちにとって想い出はなにより大切な資産だと思うから。
自分が暮らすまちが少しだけ好きになるように「とつとつ」と語っていきます。お付き合いいただければ幸いです。



