おじいちゃんの口癖は「かっしなやつやなあ」だった。

おばあちゃんが、何か用事をしていて遅かったり、うまくできないときに、「かっしなやつやなあ」と決まって口にしていた。

おじいちゃんが無口だったからこそ、その一言が強く心に残っている。

「かっしなやつ?」って何だろうと思いながら、おばあちゃんがちょっと困った顔をしているのを見ていた。

いま思えば、「おかしなやつやなあ」というのが訛って「かっしなやつやなあ」と聞こえていたのだと思う。

でも、そう言いながらも、おばあちゃんの代わりに手を動かしているおじいちゃんは、それもきっと、不器用な愛情表現だったのかもしれない。

いまも天国でおばあちゃんに向かって、「かっしなやつやなあ」って言ってるのかな?
きっとおばあちゃんは優しく笑っている気がする。

寄稿者:ももりおぱぱ

趣味は魚釣りで、週末は畑で野菜を作っています。FM三重のリスナーです。