
老年だったあの人と、若かった私の風変わりな思い出たち。
tayutaiはいろんな人が執筆する、思い出のコラムです。
私の趣味は魚釣りです。
海釣り、川釣り、バス釣りと、いろいろ楽しんでいます。
魚釣りを始めたきっかけは、幼い頃におじいちゃんが連れて行ってくれたメバル釣りでした。
小学校低学年の夏休み、おじいちゃんの家に泊まり、まだ日の出前に家を出発して、電車で鳥羽まで釣りに行きました。
釣り方は「サビキ釣り」という方法で、小さなエビに似せた擬餌針が8つほどついていて、一番下には大きめの重りをつけます。
竿を上下に動かすことで、エビが泳いでいるように見せ、魚が食いつく仕組みです。
魚がかかるとすぐにわかり、あげようとするとおじいちゃんが「まだ、まっとんな」と言いました。
そのまま竿を動かし続けると、どんどん重さが増していき、「そろそろ、あげてみ」と言われて竿を引き上げると、全部の針にメバルがかかっていたこともありました。
「すごいやろ〜」と笑顔のおじいちゃん。
私も「すごい!」と大喜びして、次からはすぐにあげずに「待つ作戦」で釣るようになり、1日で50匹ほど釣れたこともありました。
家に帰ると、おじいちゃんが釣ったメバルを唐揚げにしてくれ、それをみんなで食べる時間も大好きでした。
それがきっかけで、近所の谷川でハヨ釣りを始め、川で鯉を釣ったり、父に連れられて防波堤や砂浜での投げ釣りを楽しむようになりました。
大学時代にはバス釣りに夢中になり、社会人になってからは頻繁には行けなくなりましたが、たまにふらっと海に出かけています。
最近は、釣れなくても海を眺めながら、ぼーっとする時間もいいなあと思うようになりました。
まだまだ先の話ですが、いつか孫ができたら、一緒に釣りに行きたいなあと思っています。
そして、これももっと先の話ですが、また小さい頃のように、天国で大好きなおじいちゃんと一緒にメバルを釣りたいです。

寄稿者:ももりおぱぱ
趣味は魚釣りで、週末は畑で野菜を作っています。FM三重のリスナーです。

少子高齢化や人口減少、そしてデジタル化がすすんでいるのに、自分たちが暮らすまちのことはあまり知らない。ふと我に返ったとき、むかし祖母に聞いたまちの想い出話を、無意識に思い返していた。
そうだ、きっと自分が暮らすまちに誇りを持てていなかったんだ。ならば人生の先輩方に聞けばいい。まちにとって想い出はなにより大切な資産だと思うから。
自分が暮らすまちが少しだけ好きになるように「とつとつ」と語っていきます。お付き合いいただければ幸いです。



